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マ:「ただいま~。」 マスターがお仕事から帰ってきた! 僕は急いで玄関に駆けつけて、マスターを出迎える。 蒼:「おかえりなさい。」 マスターが凄いニコニコしてる。何かいいことあったのかな? マ:「蒼星石、今日はいいものを買ってきたぞ。」 蒼:「え、なに?」 マ:「ジャ~ン!」 マスターが僕に見せてくれたのは、銀色の小さいゲームの機械だった。 マ:「いや~、欲しかったんだよ。これ。」 マスターはゲームの機械を眼を細めながら見つめ、そう言った。 蒼:「へぇ~、そうなんだ。」 マスターはそう言うと着替えもせずゲームの機械を持ったままソファに寝っ転がった。 蒼:「マスター着替えないの?」 マ:「あとで・・・・。」 そう言うとマスターは、そのままゲームを始めてしまった。 蒼:「もう・・・。」 どうしたんだろう。いつもなら帰ってきたらすぐ着替えて、うがいと手洗いと済ませて 「今日の夕食はなにかな~?」とか言いながら食卓の方にやってくるのに。 蒼:「あの、夕食できてるよ?」 マ:「もう外で食ってきたよ。」 とマスターがゲームの画面を見つめながらそう言った。 蒼:「え・・・?」 その言葉に僕は耳を疑う。 蒼:「あ、そうなんだ・・・。でも一言ぐらい連絡欲しいな。」 マ:「ああ、すまんね。忘れてたよ。」 蒼:「・・・・。」 別に、マスターが外で食べてくることは何回かあったけど・・・ その時は必ず連絡をくれていた。 で、でも一回ぐらいは忘れることもあるよね。 蒼:「じゃ、じゃあ夕食はいらない・・・?」 マ:「ああ。」 なぜだろう、マスターが僕に眼を合わせてくれない。 ・・・そんなにゲームが面白いのかな? 蒼:「夕食、一人で食べるね。」 マ:「・・・・・。」 マスターは相変わらずゲームに没頭している。 蒼:「・・・・。」 僕は食卓に着くと一人で夕食を食べ始めた。 せっかく、マスターの好きな料理を作ったのに・・・。 マ:「だー!ちくしょうめが!」 マスターの悔しそうな声が聞こえた。 どうしたんだろう。僕はマスターの元に行く。 蒼:「どうかしたの?マスター。」 マ:「これ難しいわ。」 なんだ、ゲームの話か・・・。 蒼:「あの、マスター。ゲームもほどほどにね?」 マ:「・・・・・。」 マスターは黙ったままで返事をしてくれなかった。 蒼:「・・・・。」 僕も黙って食卓に戻った。 ・・・なんか食欲が出ないや・・。 僕はいそいそと後片付けを始める。 今日のマスターは何かおかしい感じがする。 なんだか、いつものマスターじゃない。 僕の知ってるマスターは、もっと・・・。 もっと・・・。 いや、それは僕の勝手な思い込みだ。マスターはマスターだ。 僕は片付けを終えると再びマスターのところに行く。 マスターは変わらずソファに寝っ転がりながらゲームを続けていた。 僕はマスターの傍らに立って話しかけた。 蒼:「マスター、そのゲーム面白い?」 マ:「ああ。」 ピコピコピコ・・・ さっきからゲームの音だけが、この空間を支配している感じだった・・・。 蒼:「・・・・。」 会話が続かない・・・。 蒼:「・・・あの、僕もやってみたいな・・・。」 本当はゲームにはそんなに興味は無かったんだけど・・・その・・・ あまりにマスターが僕に無関心だったから・・・。 マ:「あとでな。」 ピコピコピコ・・・ 蒼:「・・・・。」 なんか、今日のマスター・・・。 蒼:「どんなゲームなの?」 マスターが夢中になるゲーム。僕は次第に興味が沸いてきた。 マ:「さっきからうるせぇよ。気が散る。」 蒼:「え・・・?」 ・・・ぼ、僕そんなにうるさかったかな? なんだか、やっぱり・・・今日のマスターはいつもと違う・・・。 あ、・・・ひょっとして僕、知らない間に何かマスターを怒らせるようなことしたんじゃ・・・? 蒼:「あの、マスター、僕、何かマスターを、怒らせるようなこと・・・」 マ:「おい、黙ってろってのがわかんねぇのか?」 蒼:「ごめんなさい・・・。」 僕はしばらく呆然とその場に立ち尽くした。 ピコピコピコ・・・ そして・・・・僕はだんだんその場にいることが耐え切れなくなった。 蒼:「あ、あの僕、もう寝るね・・・。」 また怒られるかもしれないけど、僕は勇気を振り絞って言った。 マ:「・・・・。」 マスターは怒らなかったけど、相変わらず僕の方を見ず、そして無言だった・・。 蒼:「おやすみなさい・・・。」 鞄の中に横になりながら、僕は考える。 今日のマスターは、僕にとても冷たかったと思う。 やっぱり僕は何かマスターを怒らせるようなことしたのかな・・・。 僕は何をしちゃったんだろう・・・? 振り返ってみたけど何も思い当たることはなかった。 いや、ひょっとして・・元々マスターにはああいう面があった・・・? 今まで無理して、僕に合わせていてくれたのかな・・・? あれが本当のマスター? 今までのマスターは? これからマスターはずっとあのまま・・・? なんだか涙が出そうになったけど、僕は頑張ってそれに耐えた。 だって泣いたって、しょうがないじゃないか・・・。 とりとめのない思いが僕の思考を駆け巡り、眠気は一向に訪れる気配はなさそうだった。 いったいどれぐらいの時間が経ったんだろう。 マスターは、まだゲームしてるのかな・・・? 鞄を開けてマスターのベッドを見た。ベッドは空だった。 マスターはまだ起きてるみたいだ。 僕はなんだか心配になって、マスターの様子を見に行った。 リビングの扉を開けると、 ピコピコピコ・・・ マスターは、まだやっていた。 蒼:「マスター、もう遅いからそろそろ止めた方が・・・。」 僕がそう声を掛けると、マスターが僕の方を向いてくれた! マスターがソファから立ち上がる。 そして僕の方へ歩いてくる。 マスターが目の前に立ち、僕を見下ろす。 蒼:「マスター・・・。」 マ:「うるせぇええええ!人形の分際で人間様に意見してんじゃねぇ!」 ! マスターはそう叫ぶと僕を持ち上げて、そして・・・ 蒼:「うわぁあああああああああ!!」 蒼:「うわぁあああああああああ!!」 僕は飛び起きた。そして 蒼:「いた!」 鞄に頭をぶつけてしまった。 マ:「なんだ? どうした!?」 ここは・・・鞄の中? ガチャリ・・・! 鞄が開いた。見上げるとマスターが僕を驚愕の表情で覗き込んでいる。 マ:「おい、蒼星石。大丈夫か!?」 マスターがひどく慌ててる・・・・? マ:「何があった!?」 ・・・夢? 今は・・・深夜? マスターが僕を真剣な眼で見つめてくれている・・・。 いつものマスターの優しい目・・・。 蒼:「ますたぁ・・・・」 マ:「おい、大丈夫か?」 僕はマスターに飛びついた。 マスターは僕を抱き締めててくれる。 マ:「・・・怖い夢を見たのか?」 蒼:「うん、とっても怖い夢を見たんだ・・・・。」 思い出したくもない、怖い、とても怖い夢・・・。 マ:「そうか・・・。よしよし、もう大丈夫だからな。」 マスターが僕の背中を擦ってくれる・・・。 マ:「大丈夫だ。だからもう泣かないで。」 蒼:「え・・?」 僕は、自分の知らない間に泣いてたみたいだ。 マ:「落ち着いたかい?」 蒼:「うん・・・。」 マ:「一人で寝れる?」 蒼:「あの・・・。」 マ:「もし、まだ怖いんなら、一緒に寝ようか?」 マスターの方から、一緒に・・・? マスターと一緒に寝たことはあるけど、それはいつも僕の方からお願いして・・・。 蒼:「うん、一緒に、寝たいな・・・・。」 マ:「わかった。」 マスターは僕を抱きかかえてベッドまで運んだ。 二人並んでベッドに入る。 なんであんな夢見ちゃったんだろう。 マスターはいつでも優しいのに・・・。 マ:「見守っててあげるから、安心して寝なされ。」 マスターが横からそう言ってくれた。でも 蒼:「見られてたら、その、恥ずかしくて余計寝れないよ。」 マ:「そうか。それもそうだな。」 蒼:「ふふ・・。」 マ:「はは。」 蒼:「あの、マスター。」 マ:「なんだい?」 蒼:「くっついていいかな・・?」 マ:「あ・・・・ああ、うん。いいよ。」 蒼:「ありがとう。」 僕はマスターにピッタリくっついた。 マ:「・・・・。」 マスターとこんなに密着して寝るのは初めてだけど、凄く、安心する・・・・。 翌日の夕刻。 マ:「ただいま~。」 蒼:「おかえりなさい。」 蒼星石がいつものように出迎えてくれる。 マ:「蒼星石、今日はいいものを買ってきたぞ。」 蒼:「え、なに・・・?」 マ:「ジャ~ン!」 蒼:「!」 俺が蒼星石の目の前に出したのは最新型のデジカメだ。 マ:「いや~、欲しかったんだよ。これ。」 これで蒼星石をパシャッパシャッと。いや、別にみっちゃんに感化されたわけじゃないけどね。 マ:「ん・・・?」 蒼星石の様子がおかしい。 蒼星石、なんでデジカメをそんな悲しい目で見るの? マ:「どうかしたの?」 蒼:「あの、マスター、ゲームもいいかもしれないけど、できれば僕も、なるべくかまって欲しいんだ・・・。」 マ:「ゲーム?」 蒼星石・・・泣きそう・・・? んんんん? ん~? なんかよくわからんがくらえ! パシャッ! 蒼:「!?」 蒼星石さんの涙目で上目遣い、確かに頂きました。 終わり
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(すごい雨だな・・・) 朝からぽつぽつと降り続いていた雨は、授業の間に豪雨に変わっていた。 通り雨だろう。 ぼーっと窓の外を眺めていると、突然空が光った。 「うっ」 目を細めた直後、校舎の外に轟音が鳴り響いた。 雷である。 教室の中も少し騒がしくなる。 結構近いな、嫌だ怖い等の声が飛び交う中、家で一人で留守番をしている蒼星石の事が気になった。 確かあいつは雷が苦手だったはずだ。大丈夫だろうか。 そう思っていた矢先、ポケットに入っている携帯が震えた。 こっそりと携帯を出し、発信元を確認する。 自宅。言うまでもなかった。 「先生、トイレ行ってきていいですか?」 トイレの個室の鍵をかけ、震え続ける携帯を取った。 「マスター!」 慌てた声だった。 「雷が怖くて・・・マスターの声が聞きたくて・・・」 その声はだんだんと弱くなる。 「マスターは学校で授業中なのに・・・ごめんなさい、わがまま言って」 「なんだ、そんなことか」 俺は少し安心した。 「別にそんなことは気にしないよ。俺はいつでもお前のためなら授業くらい放り出してくるさ」 「マスター・・・」 「それに、今家にいるのはお前だけだ。俺がいない間、しっかり留守番してくれないと」 受話器の向こうで、蒼星石はうんうんと頷いていた。 「・・・うん、そうだね。ありがとうマスター!」 蒼星石はすっかり元気を取り戻したようだ。 「じゃあ俺はそろそろ授業に戻るよ。今日は早く帰れるようにがんばってみる」 「うん、ありがとう!がんばってねマスター!」 さて、留守番をがんばる蒼星石のために俺ももう少し頑張りますか。
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蒼「行ってらっしゃい、マスター」 会社に行くマスターを玄関で見送る僕。いつもの風景。 蒼「さて・・・と。」 お茶を入れて一時のリラックスをしていた時に、それが目に入った。 蒼「あれ?」 そこには、1枚の封筒が置いてあった。 蒼「あれは確か・・・」 ~~~~~~~~~~ マ「・・・はい。では会議はその日の午後2時ですね・・・はい。では失礼します。」 携帯電話で話してたのは会社の人だろうか。 マ「さて・・・会議の資料はこれ・・・と。忘れないようにしないとな。」 ~~~~~~~~~~ 蒼「確かあの時の・・・大変だ!」 会議の資料を忘れるという、マンガにありがちな事をマスターは平然とやってくれた・・・ 蒼「早く届けないと・・・」 しかし、ドールである僕が外を平然と歩いたりしたら大騒ぎになってしまう。 下手したら、マスターに迷惑をかけるかも知れない・・・ 蒼「どうしよう・・・そうだ!」 僕はある人の事を思い出して、準備を始めた。 … 外は快晴、平和な昼下がりだ。 ただ・・・ ダンボール箱が動いている事を除けば・・・ 蒼「(マスターがやってたゲームで、ダンボール箱に隠れて隠密行動するゲームがあったんだ。それを真似すれば・・・)」 …蒼星石よ、スネークの世界と2007年の日本は違うのだぞ… もちろん通行人は不審に思う。 人が居る所では立ち止まっているが、それが道路のど真ん中とかだと、どう考えても怪しい。 公園に差し掛かった時、それは現れた。 蒼「(野良犬・・・)」 野良犬は蒼星石の入ったダンボール箱の臭いを嗅いだ。そして・・・小をひっかけた。 蒼「(うわっ!!)」 危うく声が出そうだったが、何とかとどまった。 蒼「(くさいよ―このダンボールはもう使えないや)」 蒼星石は、辺りに人が居ない事を確認して、ダンボールから脱出した。 蒼「さて・・・人目の付かない場所を行くしかないか。」 蒼星石は、マスターの会社への近道を順々に辿った。 マスターの会議まで、もう時間が無い。 しかし、その近道に立ちはばかるものがあった。 蒼「この空き地の隙間を通れば近道なんだけど・・・」 そこには、草が生い茂っていた。 蒼「・・・仕方ない、レンピカ!」 後日、その空き地の一部が派手に伐採されている様子が、子供達によって発見されたという・・・ そうして、マスターの会社に辿りついた。時間は午後1時20分。 しかし、まさか正面玄関から入る訳にはいかない。 蒼「そういえば・・・マスターは敵の注意を逸らして潜入するって方法取ってたっけ・・・」 蒼星石は、辺りを見回した。 すると、荷台ギリギリの木材を積んでいるトラックが目に付いた。 蒼「・・・ちょっと手荒いけど・・・レンピカ!」 マ「ただいま、蒼星石。」 蒼「おかえりなさい、マスター。」 いつもの夕方の風景だった。 マ「いや―今日会社の前で、過積載のトラックが荷台崩壊起こして、騒然となってたよ。」 蒼「怖いですね―」 もちろん犯人が僕だなんて言えない。レンピカに荷を切ってもらったなんて・・・ マ「会社のみんながその騒ぎで飛び出したんよ・・・警備員の人もな。」 僕はその隙に、マスターの鞄に資料を入れたのだ。 マ「まぁとにかく、一時騒然となったけど、何とか収まっt・・・っと」 マスターは携帯の着信に応えた。 マ「・・・はい、大丈夫です・・・えぇ、明日の会議に支障は・・・」 蒼「あ・・・明日・・・!?」 僕はそのマスターの言葉に驚いた。 マ「・・・はい・・・では。・・・いやなぁ、明日の会議用の資料が何故か鞄に入っててな。」 蒼「明日の・・・」 マ「いやはや、オレもそこまでボケるようになったかと、ちと悲しくなったぜ。」 そう言って、大きく笑い出した。 蒼「は・・・ははは・・・」 もちろん僕としては笑えない。 大掛かりな騒ぎ起こして届けたモノが、実は明日のモノだったなんて・・・
https://w.atwiki.jp/ao-ohanashi/pages/582.html
マ「ん、カラスか?にしちゃあでかいな。俺の部屋の窓から出てきたような…まぁ、気のせいだよな」 蒼「…僕がマスターを守らないと…!」 マ「ただいまー」 蒼「っ!お、お帰りなさいマスター」 ―どうしよう。さっきのこと話したほうがいいのかな。でもマスターには余計な心配を掛けたくないし… マ「どうしたんだ蒼星石。深刻な顔して。うん?これは…!」 ―あれは! 蒼「あ、そっそれは…」 マ「まさかさっきのカラスか!」 蒼「へ?」 マ「いやな、帰ってくる途中に俺の部屋からでかいカラスが飛んでいくのが見えたんだ」 蒼「…ああそう!そうなんだ! 掃除のために窓を開けておいたら突然カラスが入ってきちゃってね!大変だったんだよ!」 マ「そうかあ、そりゃ大変だったな。でも蒼星石が怪我してなくてよかったよ。 んじゃ俺は羽を片付けるから蒼星石は晩御飯をお願いね」 蒼「あ、はい」 ―そう言って僕は台所へ向かう。 …嘘も方便と言うし、この方がマスターにとってもいいはずだ。 この事は僕だけで解決すればいい。 ・ ・ ・ マ「今日の料理ちょっとしょっぱくないか」 蒼「え!?あ、ごめんなさい」 マ「あーそんな気にするな。美味しい事には変わりないんだからさ」 蒼「うん、ありがとう…」 ・ ・ ・ マ「まだ寝ないのか、もう十時過ぎだぞ。」 ―もうそんな時間だったのか 蒼「あはは、くんくん探偵・ザ・ノベルに夢中になっちゃって。じゃあ僕はもう寝ますね」 ―本を閉じ、ソファーから降りて鞄のある寝室へと向かう マ「あのカラスまた来るかな」 ―なんで今更そんな事を言うの? 蒼「もう来ないと思うよ。僕が懲らしめておいたから」 マ「いやあ、奴は結構しつこいぞ。たぶん仕返しに来るだろうな」 蒼「なんであのカラスのことをそんなに気にするんですか」 マ「気にしてるのは蒼星石だろう」 蒼「僕は別に気にしてなんか」 マ「これ、なーんだ」 ―マスターが手に持っているのは銀色の髪の毛だった 蒼「あ…」 マ「羽を片付けてる時に拾ったんだ。何事も無かった様だからあえて聞かなかったけど 蒼星石がそんな状態じゃ聞くなってほうが無理だよ」 蒼「黙ってて…御免なさい」 マ「別に責めてる訳じゃないよ。何があったのか話してくれるよな」 蒼「はい」 ―寝室に行き、マスターがベッドに座る。僕もその隣に座って水銀燈が来た時のことを話した マ「なるほど。つまり水銀燈は俺を人質にして蒼星石をおびき出すつもりだったんだな」 蒼「そうです」 マ「なんでそんな重要なことを黙ってたんだ?」 蒼「マスターを、巻き込みたくなかったんです」 マ「むこうが俺を標的にしてる以上それは無理だろう。第一その程度のことは契約した時点で覚悟してるさ」 蒼「でも…僕はマスターを失いたくない」 マ「俺も蒼星石を失いたくない」 ―マスターは僕を膝の上に乗せて話を続けた マ「だからさ、二人で協力していこう。俺が蒼星石に頼ってばかりじゃ悪いしさ」 蒼「迷惑じゃ、ないんですか?」 マ「迷惑なんかじゃないさ。むしろもっと頼って欲しい」 蒼「我侭を言っちゃうかもしれませんよ」 マ「ああ、好きなだけ言ってくれ。て言うか何でさっきから敬語なのかな?」 蒼「あ…それは…」 マ「お前さ、問題を抱えてるときに限って人を遠ざけようとしてるよな。それじゃあダメだぞー」 ―なんでこの人はここまで僕のことを分かってくれるんだろう。嬉しいけどちょっと気になる 蒼「マスターはなんでそんな事まで分かるの?なんだか心を覗かれてるみたいで…あまりいい気分じゃない」 マ「あ…ごめん、配慮が足らなかったな。蒼星石は昔の俺とそっくりでさ、 そのせいで考えてることが嫌でも分かっちゃうんだ」 蒼「僕とマスターが似てる?」 マ「そういう時期もあったんだよ」 蒼「じゃあ、僕もマスターみたいになれるかな」 マ「え!?うーん、なれるだろうけど、なって欲しいような、なって欲しくないような…」 蒼「クスッどっちなのさ」 マ「…いつもの顔になったな」 ―マスターがいつもの優しい笑顔でそう言って僕の顔を見つめる 蒼「いつもの…って、僕そんなにひどい顔してたの?」 マ「そりゃあもう、この世の終わりのような酷い顔だったぜ…ってのは冗談だけどな、 ああいう顔を見せられるのは結構キツイからさ、これからは一人で抱えずに俺に相談してくれよ」 蒼「うん。心配かけてごめんなさい。それと心配してくれてありがとう」 マ「ん。じゃあ寝ようか。だいぶ遅くなっちゃったな」 ―マスターが僕を膝から降ろそうとする。…まだはなれたくない… 蒼「あっあの!今日は…一緒に…寝たい…な」 ―我侭言っても、いいんだよね マ「鞄で寝なくても大丈夫なのか?」 蒼「一日くらいなら平気だよ」 マ「そうか。なら遠慮なく…」 ―マスターが僕を抱っこしたまま布団に入る。…あったかい マ「フフ…蒼星石の身体あったかい」 蒼「うん…僕もマスターが傍にいてくれるからあたたかい…。」 ―今日はいい夢が見れそう マ「おやすみ、蒼星石」 蒼「おやすみなさい、マスター」 ―だいすきです… ・ ・ ・ 「蒼星石、寝ちゃった?」 腕の中の蒼星石は寝息も立てずに寝ている。まあ人形だから当然なんだが。 しかし脈も無いのはちょっと困る。すごく不安になる。 「まったくこの子は人を心配させるのも上手だから困る」 そういや水銀燈が俺を人質にするとか言ってたよな。一体どうやって? 普段は車通勤だし、家に居る時はほとんど蒼星石と一緒だし… 「…ひょっとしてからかわれた?」 ・ ・ ・ 「どんな酷い顔をしてるか見に来てみれば…なぁにあれ。つまんなぁい。 からかい損だわぁ。 …めぐの歌でも聴いて気分を晴らしましょう…」
https://w.atwiki.jp/ao-ohanashi/pages/210.html
朝だ、気持ちがいい。 ? 何かおかしい、いつもならキッチンで蒼星石が朝食を作っているはずだ。 蒼星石の鞄をのぞいてみた。 蒼星石「うーん・・・くっ・・・」 蒼星石はうなっていた。 俺「おい!大丈夫か!?」 蒼「ん・・・?マスター?うぐっ!・・」 俺「大丈夫か!?おいっ!」 そして蒼星石は気を失った。 蒼「うん・・・?ここは?」 俺「おっ、気がついたか」 蒼「マスター・・・うぐっ・・・!」 俺「おい!今度はなんだ!」 蒼「だめだ・・・僕吐いちゃう・・・」 俺「ちょっまて!こんな所ではかれたら汚いじゃねーか!」 蒼「なーんてね♪マスター、どうだった?僕の演技、・・・マスター?」 俺「てめぇ・・・人を心配させといて何してんだ!!」 蒼「ひゃあ!!ごめんなさい・・・マスター・・・」 俺「このーwこうしてやるーw」 蒼「ひい!く、くすぐったいよマスター!ひゃひゃ!もうだめぇー」 俺「このこのーw」 そしてその家からは笑いが途絶えなかったとさ・・・ 終
https://w.atwiki.jp/ao-ohanashi/pages/161.html
しばらくして。蒼星石は身を起こした。 そして、その顔は不気味な笑顔を浮かべていた。 「へへへ…」 そう言いながら、蒼星石は俺に近づいてきた。 すると、急にすばやい動きで俺は後ろを取られた。 「!?」 そして、次の瞬間。俺は… 「あひゃひゃひゃひゃ!!」 蒼星石にくすぐられていた。 「や、やめろ……蒼…あひゃひゃひゃ!!」 「嫌だよ…マスター…。僕がやめてっていってもやめてくれなかったじゃないか…。ふふふ…マスターの弱点は熟知しているよ…」 確かに俺の苦手な所ばかりをくすぐってくる。 「や、やめてくれ、ひぃ…ひぃ…。あ、謝るから…」 「だめだよ…許さないよマスター、もっと、くすぐっちゃ…う…かr…」 そう言って蒼星石は眠ってしまった。 「はぁ…はぁ…死ぬかと思った…」 俺は本気でそう思った。 翌日。 「マスター。僕、昨日お酒飲んだ後の記憶がないんだけど…」 「そ、そうか。それより、体の方は大丈夫か?」 「うん。なんともないよ。それより。僕、何かマスターに迷惑かけた…?」 「いや、何にもなかったぞ。うん、何にも、なかった。」 「…?。まあ、マスターがそういってくれるなら安心したよ。でも、昨日は楽しかった夢を見た気がする…。」 蒼星石には、飲んだ後のことは隠した。そして、もう二度とお酒を飲ませないようにしようと思った。 とりあえず、仕返しに、不意打ちでくすぐってやろうと思った。 でも、あまり度が過ぎないようにしなくては、もしものときに、今度こそ笑い殺されるとも思った。 酒は怖いな… ---END---
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第4ドール蒼星石の退屈(1) 第4ドール蒼星石の退屈(2) 第4ドール蒼星石の退屈(3) 第4ドール蒼星石の退屈(4) 第4ドール蒼星石の退屈(5) 第4ドール蒼星石の退屈(6) 第4ドール蒼星石の退屈(7)
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蒼「ねぇ、マスター。」 蒼星石が俺に話しかけてきた。 その表情はニコニコしている。 俺「どうした?蒼。」 蒼「僕はね、実はここにポケットがあるんだ。」 蒼星石は下腹部を触りながら言う。 うーむ。どういう意味だ? 俺「ポケットねぇ・・・それがどうしたんだ?」 蒼「このポケットからはね、色々なものが出せるんだよ。」 色々なもの・・・?・・・何だ? 蒼「何を出せるかっていうとね。」 俺「な・・・何?」 蒼「どこでもドアー!・・・僕バージョンだけどね。」 蒼星石が丁度半円の形をしているポケットから取り出したのは、あの伝説のネコ型ロボットの四次元道具ではないか。ただし、蒼色のだが。 俺「ちょっと開けてみてもいいか?」 蒼「うん、いいよ。」 俺は行きたい場所を思い浮かべながら、ゆっくりとドアを開けた。 俺「!!!!!うはwwwww」 俺の行きたかったドイツの風景が広がった。これはまさしく四次元道具・・・ 入ってみようと足を踏み入れた。 ―その瞬間、俺は落下した。 俺「う・・・うーん・・・ハッ」 目を覚ますと、そこはnのフィールドだった。ドイツの風景が広がっている。 蒼「どう?驚いた?」 俺「驚いたも何も・・・」 言い終わらないうちに蒼星石が言った。 蒼「僕、マスターのパソコンを見たんだ。」 ま・・・まさか2chのアレを・・・?マ・・・マズイ! だが、違った。 蒼「なんかね、丸い頭で猫みたいなロボットのページが表示されて、その下に『四次元道具:どこでもドア』って書いてあったんだ。それの説明を見て、この仕組みを思いついたんだよ。」 俺「どんな仕組みなんだ・・・?」 蒼「あれ、わからなかった?あのどこでもドアはね、枠だけ作ったんだ。ドアの部分は鏡なんだよ。nのフィールドに繋がってる鏡。」 そうなのか・・・と納得した俺。 俺「それにしても手間かかったろ?」 蒼「それはね。だけど、マスターをビックリさせたくて、一所懸命作ったんだ。」 俺「そうか(*´∇`*)とっても嬉しいぞ、俺は。ありがとう、蒼星石。だけど、幾つか不可解な点がある。その話は今度聞かせてもらうからな。」 蒼「うん、わかった。今度、説明するね。」 俺「ああ。」 『蒼星石のどこでもドア』END 幾つか不可解な点がありますが、それはご想像にお任せします。 気がむいたら、別の道具でお話を書くつもりです。
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貴方はただ目的も無くTVをつける。 TV『ちょいとへんてこだよ呪文さ、キミに教えてあげるよ 』 タイミングが悪かったのだろう、番組のエンディングが流れてくる。 その番組が気になるのか蒼星石が寄って来て一緒にTVを見始める。 蒼星石「ねぇマスターこのエンディング曲知ってる?」 貴方「嗚呼・・・少し位なら・・・。」 蒼星石「ボクね、この曲好きなんだ~ だから一緒に歌おうよマスター」 そう促され何となく一緒に歌い始める貴方。 2人『それはそれなりでもいいのさ、ケセラセラセラセラリンコ』 曲自体意味不明な部分が多いが難しい曲ではなかった。 2人『なんとなく可笑しいね 、願い事叶うかな 』 曲が終わった・・・・。 蒼星石「マスター歌上手だねっ♪」 貴方「そ・・・そうか?」 蒼星石「うんっ とっても美味かったよ。 ・・・ところで、次の番組何みるの?」 貴方「んーそうだな・・・。」 そう言いながら新聞のTV欄を見る・・・。 貴方「ウルトラまんこスモス?」 蒼星石「・・・」 貴方「・・・」 蒼星石「まだ夜じゃないのにそういうネタはどうかと思うよ?」 貴方「正直スマンかった」 おしまい
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蒼星石はベッドに腰かけると片足を私の顔の前に差し出しこう言った。 「ほらマスター、僕の足を綺麗に舐めて忠誠を誓ってよ『私は蒼星石様の下僕です』って」 私は不覚にもその台詞に息子がおっきしてしまった。 そのことが蒼星石にばれないようにと息子の位置を変えようと少しだけ動く。 しかし、蒼星石にはそれがバレていたようだった・・・ 「あれ?どうしたのマスター?そんなにもじもじしちゃって・・・」 「もしかして今ので興奮しちゃったとか?うわっ・・・こんなので興奮するなんて変態だよ・・・」 更に蒼星石にそんな事を言われた私の息子はより肥大してしまった・・・ 「ほら、そんなにもじもじしてないで早く僕の足を舐めて忠誠を誓ってよ。」 蒼星石は器用に私の頬を足で撫で唇に触れる 「早くしないと無理矢理マスターの口に足を突っ込むよ?」 蒼星石にそんな事を言われてその事を想像した私は唾をごくりと飲み込んだ。 「ふふっ、わかりやすいねマスターは」 蒼星石が私を見下ろしながら小悪魔のような笑顔で微笑んだ 「僕がこんなことを言ったとたんに嬉しそうな表情をして・・・変態 こんな変態が今までマスターだったなんて思うとムシズが走るよ。 まあ、今度からは僕がマスターだからね。わかった?マスtじゃなかったね・・・ 今度からなんて呼ぼうか?変態さんはなんて呼ばれたいの?」